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辻 正邦*; 小林 伸司*; 佐藤 稔紀; 見掛 信一郎
Proceedings of the ISRM Regional Symposium EUROCK 2015 & 64th Geomechanics Colloquium; Future Development of Rock Mechanics, p.35 - 41, 2015/10
瑞浪超深地層研究所では、掘削工事における地下水の湧水量を低減するために岩盤グラウチングが主要技術として用いられてきた。本稿は、深度500mレベルの延長120mの坑道におけるグラウチング工事の概要について報告するものである。先行ボーリング調査を行い、主に超微粒子セメントによるプレグラウチングを行いつつ本坑道の掘削を完了した後は、坑道全体の湧水量が約200から220L/分であり、許容湧水量を満足した。その後、延長16mの区間において新設計(溶液型グラウトの適用、複合動的注入の適用、プレグラウトの外側範囲を改良ゾーンに適用)によるポストグラウト工事を実施した。その結果、これらの新しい設計が効果的であることが確認でき、対象区間の湧水量は35L/分から11L/分に減少した。今回の実積は、既存のグラウチング技術の高度化に役立つものであり、新しい設計技術がプレグラウトの段階から実施されていれば、更なる湧水抑制が可能であったと考えられる。